福岡市では誤発注で2万食が廃棄と報道されるも……
また、もうひとつ話題となったのが今年4月に「ポツンと唐揚げ1個だけ給食」でも話題になった福岡市の「給食の廃棄」問題だ。
11月初旬からX上では〈福岡市立学校で2万食の給食がゴミに〉といった投稿があふれ、大炎上している。
これらの投稿は九州のブロック紙が給食調理員や福岡市教育委員会を取材した「福岡市立学校で給食のドタキャン多発 5年で2万食分、遠足や旅行失念し廃棄も」と報じたスクープ記事が発端だと思われる。
当該記事によると、「2021年4月~今年10月の誤発注に伴う給食の直前キャンセル数は小学校21件、中学校67件、特別支援学校3件の計91件」もあったという。
その上で「キャンセル量が多い場合や調理員が下処理を済ませた野菜などは、廃棄処分せざるを得ないという」と書かれている。
本当にそんなことがあったのか。事実関係を福岡市教育委員会の給食運営課の担当者に聞いた。
「細かいですが、まず数字が違います。誤発注による直前キャンセル数は小学校20件、中学校66件、特別支援学校3件の計89件です。そして、給食調理場で働く女性の声として『調理員はその日の献立を調理しながら、事前に納入された野菜の皮むきなどの下処理も並行して行い、翌日以降の調理に備えている』と書かれていますが、これはあり得ない。その日の食材をその日のうちに調理し、子どもたちに提供しています」
そして記事やXなどでも注目された「食材を廃棄処分せざるを得ない」ことについても「廃棄はしない」と断言した。担当者は続ける。
「牛乳などは翌日以降に提供日を変更します。当日中に調理したり食べる必要がある食材は基本的にすべて調理して各校への分配量を多くしたり、他学級に増やす対応をしていますし、(そうでないものは)フードバンクなどに寄付するため、『廃棄』されることはありません。また『どうせ税金だから』といった気の緩みがあるなどの懸念がSNS上でも書かれていますが、そのようなこともあり得ません」













