「コピー社会の巻」(ジャンプ・コミックス第巻32収録)

今回は、数々の有名な製品やブランドのコピーばかりを作る会社が登場するお話をお届けする。

本作が描かれたのは、1982年。戦後の高度成長とともに高品質な日本製品が世界通を席捲し、「メイド・イン・ジャパン」「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を誇っていた時代だ。かつて安物、パチモノを輸出していた日本が、その製品を世界中で評価されるとともに真似され、羨まれ、恐れられてもいたのだ。

本作に登場する数々のパチモノ、偽ブランドの類いは、国内よりは海外で目にするものだっただろう。

なおその後、より労働力の安いアジア諸国、特に中国へと世界の工場の中心地が移行していき、日本の経済も1990年代初頭のバブル崩壊以降、停滞~縮小へとシフト。さらに日本のブランドや技術も、海外へと流出したり消滅したりしていったのは、皆さんご存じのことかと思う。だが現在でも、アジアを走るオートバイの多くは日本車のコピーそのまんまだったりする。

今後、日本発のアイデアや製品、ビジネススキームなどが、再び真似され、分析される日は訪れるだろうか。

さて、本作をお読みいただく前に、作中で登場するモドキ製品、モドキブランドの元ネタを挙げておこう。

CIジョー:GIジョー
チュロQ:チョロQ
バンザイ:バンダイ
H・ONDA:HONDA
TONY:TOMY
S・ONY・ウークマン:SONY・ウォークマン
ウルマ・マン:ウルトラマン
A・ANYO:SANYO
H・ITACH:HITACHI
TANMA:TAMIYA
ゴロワーズ:クリネックス、ゴロワーズ(煙草ブランド)
リポタンD:リポビタンD
オロナインC:オロナミンC、オロナインH軟膏

それでは次のページから、ツッコミどころ満載なニセモノがどっさりと登場するお話をお楽しみください!!