「びっくりカメラ!の巻」(ジャンプ・コミックス第30巻収録)
今回は、テレビのバラエティ番組で、両さんに偽の小判を渡して騙す企画が、大騒動へと発展するお話をお届けする。
1970年代から2000年代にかけて、「どっきりカメラ」「元祖どっきりカメラ」にはじまり、「スターどっきり(秘)報告」「天才たけしの元気が出るテレビ」「ロンドンハーツ」など、素人を驚かせたり騙したりいじったりして笑いを取る形式の「どっきり」系番組が多数放送され、人気を博してきた。
素人への仕掛けはやがて対象を、いわゆる「芸人」へとシフトさせていったが、テレビの悪ふざけや、撮影し、放送してしまえばそれでよしといわんばかりの人との距離感は、現代ではほぼ通用しないだろう。
だが、単にテレビを「オワコンのくせにまだ自分たちがすごい、偉いと勘違いしている」と腐しているだけでよいかというと、どうもそういう時勢でもなさそうだ。ネットでは「○○系動画配信者」たちが大手を振って迷惑行為や無許可での撮影・配信を行っているのも事実。舞台がテレビからネットに移っただけで、他者に痛みや不快感を与えて注目を集めようとする行為は、むしろ過激化しているとさえ思えることもある。
もっとも我らの両さん自身が、ドッキリ企画の被害者ではなく仕掛け人になるお話も存在している。しかもテレビ番組ではなく、動画サイトの企画で、だ。
2008年に描かれた「どっきり旅行の巻」(ジャンプ・コミックス第167巻収録)で両さんは署の旅行先で、賞金目当てにテレビのドッキリ番組全盛期のような大仕掛けのイタズラをしまくる。その結果、撮れ高はバッチリ、撮影クルーもおいしい画が撮れたとホクホク顔だったが?……
こういったお話は、ぜひ漫画の中でだけたっぷりと楽しむようにしたい。
それでは次のページから、両さんが手にした小判の行方をめぐり、仕込みのドッキリ企画が本当のハラハラドキドキへと変わってしまうお話をお楽しみください!!



















