「政治とカネの問題」はテクノロジーで解決に近づけることができる

――比例定数削減は「政治とカネ」の問題をどうするかが焦点だった自民・維新の連立協議のなかで突然浮上しました。

優先順位が急に変わったことに違和感を覚えています。維新さんと自民党さんがこの局面で調整をしっかりされたことにはリスペクトしつつも、優先順位がディールの中で大きく変わってしまったと思っています。

議会が信頼を得るために、比例の定数削減よりもできることはたくさんあります。「政治とカネの問題」に取り組むことは信任を得るために一番いいやり方で、維新さんも昔からずっと言ってきました。そこはブレない方がいいんじゃないかなと思います。

――「政治とカネの問題」に関しては、チームみらいは「みらいまる見え政治資金」というツールを発表しました。

政党・議員のお金の流れを可視化するツールで、公約に掲げた“政治とカネの問題を終わらせる”に近づく一歩目です。

図を使って金の流れのボリュームを見やすくし、収支の各項目の割合が一目でわかるようにしました。従来の政治資金収支報告書ではわからない出入金の詳細なデータも示せます。

「みらいまる見え政治資金」で見ることができる「チームみらい」の収支の流れ
「みらいまる見え政治資金」で見ることができる「チームみらい」の収支の流れ

――狙いは何ですか。

政治とカネの問題はテクノロジーを通じてより解決に近づけることができるのですが、こうした取り組みをどの政党さんもやってこなかった。なので、まずわれわれ自身の政治資金の見える化を図りました。これにより、政党が意思を持てばここまでできると示すことに意義があると思います。

このソフトウェアはオープンソースになっており、他の政党も使える状態です。第2段階として他党さんにも取り入れてもらい、このソフトウェアが使われることを通じて「政治とカネの問題」の解決により近づいていこうとしています。

実際、10月の頭に発表した後、興味を持ち「われわれもやりたい」と言っていただいた政党、政治家さんはたくさんいらっしゃいます。

AIエンジニアとしても知られる安野参院議員(撮影/村上庄吾)
AIエンジニアとしても知られる安野参院議員(撮影/村上庄吾)
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――献金者も明らかになるのですか?

献金した人の数までは出すことにしていて、その先をどうするかは検討しています。

例えば、政治資金収支報告書では5万円超の献金をした人は、住所まで全部公開されています。献金者の住所までインターネット上で検索できることが果たして良いのかというのは議論の余地があります。プライバシーと透明性の観点からシステムとしてどのあたりが良いラインなのかを探ろうとしています。

――企業・団体献金の規制についてはどのような立場ですか?

規制は強め、徹底的に公開すべきだと考えてます。公明党や国民民主党が出す『受け手規制』の強化(企業・団体献金の受取先を政党本部と各都道府県連に限定し、同一対象への寄付額は年間2000万円を上限とする)も1つのやり方だと思います。

議論をみながら、どのラインにするかわれわれとしてもしっかりと議論していきたいと思っています。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班