定員120名、ファンと行く北海道ツアーも一瞬で完売

――そもそも、なぜ静岡でタレント活動を?

もう完全になりゆきですよ。静岡の短大を出た後に地元で幼稚園の先生をしてたんですけど、狭い世界にずっといるだけじゃ何も見えないなと思って、大阪に出てイベント会社でOLしてたんです。

――東京ではなく大阪に?

小さい頃からよくしゃべる子供だったんで、大阪のほうが合ってるかなって。でも務めてた会社が倒産して、ラジオとかしゃべりの仕事をするようになったんです。

――それがタレント活動のスタート。

そうですね。ところが、父が余命宣告をされたことを機に静岡に帰って、せっかくだからしゃべる仕事がしたいなといろいろとオーディションを受けたんです。で、気がついたら今に至ると。

――人生、何が起こるかわかりませんね。すっかり静岡の大スターとなった久保さんは。最近では「まるごと」が主催した「久保ひとみと行く!北海道2泊3日」は、料金が11万7000円からと高額にもかかわらず、完売になったとか。

定員120名が一瞬で完売しました。

――おそるべきローカルタレントです。

恐縮です。でも、もともと“ローカルタレント”って言葉はあんまり好きじゃなかったんです。なんだかバカにされてるような気がして。

でも、今は誇りに思えるようになりました。それも地方の垣根が時代とともになくなったと実感できるようになったからでしょうか。

タレントさんも昔は「来てやったぜ」みたいな感じがあったんですけど、最近では中央で活躍されているタレントさんが地方でも全力を尽くしてくださる。地方創生が根づいてきてるような気もします。

静岡をジャックする久保さんのコラボグッズや広告。かつて伊豆エリアは静岡第一テレビが映らず、その影響力が及んでいなかったが、地デジ移行後は久保さんの支配下に(写真/本人提供)
静岡をジャックする久保さんのコラボグッズや広告。かつて伊豆エリアは静岡第一テレビが映らず、その影響力が及んでいなかったが、地デジ移行後は久保さんの支配下に(写真/本人提供)

――久保さん自身も、近年ではちょこちょこ中央の番組に出演してますよね?

はい、ありがたいことに。

――東京進出を狙ってる?

めっそうもない。東京の番組に出演させていただくのはただただ楽しいだけです。それに、静岡県の方って地元愛が強くて、静岡で育ったものをすごく応援する気質があるんですね。「おらが町の久保ちゃんが東京のテレビに出る!」とすごく応援してくれるので、やりがいがありますよ。