「とってもお茶目な中川くんの巻」(ジャンプ・コミックス106巻収録)
今回は、暑さに耐えかねた両さんが、派出所メンバーや仲間を連れて銭湯へと繰り出すお話をお届けする。
本作をお読みいただく前に、銭湯の基礎的な説明と、東京の銭湯の成り立ちについて簡単に述べておきたい。
銭湯とは、いわゆる「公衆浴場」を指す。第二次世界大戦後の1948年に定められた法律「公衆浴場法」に基づいて運営される、公衆衛生を目的とした施設だ。その多くは民間による経営だが、それには都道府県知事の許可を必要とする。
東京において銭湯の先祖的な湯屋が発展したのは、江戸時代のことだ。人口が密集していて、かつホコリっぽい江戸では入浴が不可欠で、風呂の需要が高かった。にもかかわらず、木造住宅が立ち並ぶ過密都市ゆえに火の扱いが制限されており、庶民が自宅に内風呂を持つことはできなかった。そこで、湯屋は大いに繁盛した……というわけだ。
ちなみにこの頃の風呂は、湯を張った浴槽に浸かる湯浴ではなく蒸気浴(蒸し風呂)形式だった。
その後、明治時代になると、天井が高く広々としていくつかの浴槽がある現代の銭湯に近い内装へと変わっていく。東京の銭湯事情については、このあとも続けて紹介していくぞ。
ちなみに本作で中川は、銭湯における男子のマナー? を両さんから強要される。それはタオルで前を隠さず、腰を振ってポ○チンを回すというもの。下町の子どものたわいない悪ふざけを大人がやると、これはちょっと異様な光景なのだが……。
その後、中川はアルバイトでテレビ番組に出演した際にもイロモノ芸人と勘違いされ、全裸&ポコ○ン芸をしながらの温泉レポートを強いられていた。
それでは次のページから、いささか騒がしい銭湯でのひとときをお楽しみください!!