「市長は私の話を上の空で聞いていたんでしょう」
阿部氏は倒木などの被害が出たことを挙げ、翌31日にどのような報告を受けどう指示したのか、追って尋ねた。
すると小川市長は「避難情報の解除、災害対策本部の廃止が(31日)午前4時45分から5時ぐらいに行なわれ、私自身もその時間、自宅にはいたが、起きていつでも対応できるように待っており、適宜やり取りをしている」と答えた。
この姿勢に対し阿部氏は疑問を呈し、「そういう時に市役所に登庁して報告を受ける、指示するのが市長だ。そういう対応をしていただきたい」と考えを改めるよう求めた。しかしこれも市長は「必要があれば常に駆けつけるということで対応していきたい」と事実上拒んでいる。
今は政界を引退した阿部氏は質問の目的について、「伝えたのは(災害時には)市役所の中で指示をしてほしいということです。台風10号では市南部で多数の被害が出ているとの情報が上がっていたんです。被害が出ていたら市長が指示をするなり、現場に行くなりするべきなので議会で指摘しました」と話す。
そして今回、大雨の日にもラブホテルへ行っていたことについて「市長は私の話を上の空で聞いていたんでしょう。真剣に受け止めなかったのだと思います」と残念そうに話した。
革新系の小川市長は自民党系重鎮だった阿部氏の質問は政治的な攻撃と受け止め、忠告を聞かなかったのかもしれない。いっぽうで、阿部氏と同じく自民党系の先輩政治家である大澤元知事が辞職を最後まで拒み任期を満了したことは参考にしているようにも見える。
当時、大澤氏は辞職要求に「自分を戒め、県発展のため努力することが私の使命」と強弁した。その言葉は、今回の小川市長の「しっかりと反省し市民のために引き続き力を尽くしていきたい」との主張にしっかりと受け継がれている。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班