「炎上」の原因となったのは「ビジネス保守」 

犯人捜しをしようにも、メーリングリストを通じて投稿依頼しているので特定のしようがない。ただ、相互不信だけが陣営内に残ったようだ。

陣営内では「例文集」にも批判が集まっている。

【投稿依頼で示された24例文】

・ようやく真打ち登場!

・これは本命候補でしょ!

・総裁まちがいなし

・あの石破さんを説得できたのスゴい

・なんか顔つき変わった!?

・去年より渋みが増したか

・泥臭い仕事もこなして一皮むけたのね

・困った時のピンチヒッター感ある

・期待感しかないでしょ

・野党への切り返しはするどかったぞ

・コメ大臣は賛否両論だけど、スピード感はあったな

・単純にいい人そうなんだよな~

・確かに若手の面倒見良さそう

・むやみに敵を作るタイプじゃない

・頼む 自民党を立て直してくれ

・「保守政党 自民党の神髄」出ました

・ビジネスエセ保守に負けるな

・奇をてらわず、実直に仕事してくれる人がいい

・もう一度自民党に期待させてくれ

・谷垣総裁みたいに「みんなでやろうぜ!」

・チーム進次郎は仲間が多いからなあ

・前回は議員票が一番多かったもんな

・側(そば)で見てる人は分かってるんだよ

・やっぱり仲間がいないと政策は進まないよ

とりわけ「炎上」の原因となったのは「ビジネス保守」だろう。実際にニコ動の画面にも流されていた。小泉氏を称賛するだけではなく、相手候補、とりわけ高市氏を中傷したことでネットでの大炎上につながった。これらは総裁公選規程にも抵触する可能性がある。

例文集で揶揄された?(本人Xより)
例文集で揶揄された?(本人Xより)

みんな選挙後の自らのポストを当てにしているだけ  

筆者も長年、選挙取材に関わってきた。街頭演説での動員など、選挙に「やらせ」はつきものだ。とはいえ、相手陣営への中傷を、立場を隠して実施したとなると深刻だ。ところが、騒動が発覚しても小泉陣営内では当初、いまいち深刻に受け止められていなかったようだ。

文春発売の当日は小林史明議員が記者へのブリーフでおおむね事実関係を認めていた。だが、小泉氏が会見で謝罪したのは翌日だ。それも閣議後の農水大臣としての定例会見だった。今回の事態を受けて、陣営サイドが率先して開いた記者会見ではなかった。

小泉陣営は「メディア対応」「SNS対応」「危機管理」というどれをとっても後手後手で統率がとれていない。党内の全派閥、さらには無派閥からもかき集めた混成部隊だからだ。

ある陣営スタッフは言う。

「本気で小泉さんを総理総裁に押し上げようと体を張っている人はいない。みんな選挙後の自らのポストを当てにしているだけだ」