「おしえて両津先生 派出所七ふしぎの巻」(ジャンプ・コミックス第133巻収録)

今回は、派出所を訪ねてきたちびっ子たちの質問攻めに、両さんたちが四苦八苦して答えるお話をお届けする。

……と、その前に、今週のお題である「メタフィクション」について簡単に説明しておこう。

これは、読者や視聴者といった受け手に対して、「これは作りごと、虚構ですよ」と意識させる構造・表現を採った作品を指す。漫画でいえば、読者にキャラクターが話しかけたり、作中で作者が締めきりがヤバいとぼやいたり……といった描写などが代表例だ。

本作においては、長期連載の宿命で、両さんの身長設定が二転三転したり、作中での時間の経過が不明瞭だったり、キャラクターが加齢していなかったりと、キャラクターたちに質問というか詰問する形で、「作品における疑問を読者が作中に登場して」次々と挙げていく。

だがギャグ漫画というのは、ギャグのためなら作品の理(ことわり)すら無視し破壊することが許されたジャンルなので、実はこれらのおかしな点はそれほど問題ではない。それが読者の笑いを誘うかどうかがすべてなのだ。

なお作中で言及されている両さんの身長は、2002年に描かれた本作中では167cm。1993年に刊行された初の公式ガイド本『カメダス』にもそう記されている。ところが本作中で152cmへと設定を変更してしまう。さらに、2016年に刊行されたコミックス200巻に同梱された『40周年記念特装版 こち亀超書』では161cmに……。

「40周年記念特装版 こち亀超書」より
「40周年記念特装版 こち亀超書」より

それでは次のページから、『こち亀』の触れてはいけないところに触れまくる、前代未聞のお話をお楽しみください!!