「桃太郎ポリスの巻」(ジャンプ・コミックス第39巻収録)
今回は、(いつものことだが……)不祥事を起こして、山奥の警察署に左遷された両さんが、動物の署員たちとともにすごすお話をお届けする。
本作の前作に当たる「旅立ちの日の巻」「銀座の春の巻」(ジャンプ・コミックス第39巻収録)で、すでに両さんは銀座派出所に異動となっている。そして競走馬を乗せたトラックの立ち往生に立ち会う中で、大都会での馬の暴走に巻き込まれる。その責任を問われての山奥への異動なのだが……。どうも両さんは、動物絡みの災難に縁があるらしい。
そして両さんが赴任したさいはて署では、署長以外の署員は皆、動物! 猿、犬、キジ……と、まんま『桃太郎』のお供の動物状態だ。しかも階級は両さんよりも上!! ウンザリした両さんだったが、やがて遭難事件が発生して……?
ところで、『桃太郎』のお供がなぜ三匹の動物なのか、しかもなぜ「キジ」が入っているのか。
これには、陰陽の五行において「鬼門」の対極側に位置するのが「申・酉・戌」(猿・キジ・犬)だからという説や、儒教の「智・仁・勇」をもとに、 智= 猿は猿知恵の知恵、仁=犬は3日飼ったら恩を忘れないという仁徳、勇=キジは事の時自らの羽を巣に覆いかぶせ卵を守ることから勇気の象徴として描いているという、思わず「ホントか?」と突っ込みたくなるような説がある。
もしもお供のトリオに両さんが加わるなら、さしずめ力自慢のゴリラといったところか。
それでは次のページから、人里離れた山奥で動物たちと勤務することになった両さんに降りかかる災難をお楽しみください!!