前回総裁選で明らかになった進次郎氏の弱点克服は
こうした「進次郎氏総理」誕生に向けた動きを前に、「キングメーカー」争いも本格化し始めた。重鎮たちにとっては、進次郎氏が「勝ち馬」かどうかを見極めたうえで、新たな首相誕生の立役者となっていかに影響力を持てるかどうかがポイントとなる。
「進次郎総理が誕生した場合の『陰の総理』の筆頭格は菅元首相です。菅氏は維新との関係が深く、少数与党下での政権運営で維新に協力を求めることも考えられます」(自民関係者)
そのほかの重鎮たちも、自らが影響力を持とうと進次郎氏に食指を伸ばしている。
「仮に高市氏と進次郎氏の決戦投票になった場合、タカ派色の強い高市氏を警戒する岸田文雄前首相も進次郎氏に乗るとみられています。決選投票で旧派閥がまとまって勝ち馬に乗れば、経験が浅く党内をまとめるのに不安が残る進次郎氏に対し、影響力を与えることができます」(同)
ただ、進次郎氏にも総裁の座をつかみとるまでのハードルはある。まず、党員の支持数だ。前回総裁選の党員票は、進次郎氏が61票だったのに対し高市氏が109票と、圧倒的な差をつけられた。
「高齢者の多い自民党員からは、若い進次郎氏では頼りなく見えてしまい、支持を集めにくい。さらに今回は、参院選で参政党が躍進し、自民党から右派票が逃げたとの危機感もある。そういった点を考慮すると、高市氏に票が集まりやすいのでは」(自民議員)
前回、108票の党員票を集めた石破首相の票の行方も焦点だ。
「石破氏が主に集めていたのは地方の党員票。農業に従事する有権者から支持を集めた党員も多く、小泉農水相の農業政策には反発もある。石破氏と小泉氏は本人同士の関係は近いですが、小泉氏が石破氏の票を取り込むことは決して簡単ではありません」(全国紙政治部記者)