「謝罪をしてほしいのと、行なった行為に対して償いをしてほしい」
だが、平行線のままでは被害者や被害者の親族の苦しみは決して終わらない。集英社オンラインでは♯4で2023年の暴力事案について報じた。ここで登場する元野球部員のAさんはSNSに「広陵高校の硬式野球部で在籍時に性被害に遭いました。〈中略〉寮の風呂では水の中にしずめられたり熱湯や冷水をかけられたりする殺人行為にも遭いました」と投稿しており(投稿は保護者が代理で行った)、当時の野球部内での“イジメ”を今も訴え続けている。Aさんの母親があらためて胸中を語った。
「詳しい内容については話せませんが、8月末に2度目の第三者委員会が開かれました。ウチの子どもは第三者委員会のメンバーの方たちにも不信感をいだいており『話したくない』と言い出しました。話をしても信じてもらえないと感じたようです。
性的なことも話したくないのか、お風呂場で熱湯をかけられたという話はしましたが、その他については時間的にも話ができず、あまり進んでいません」
Aさんの母親によれば、8月30日にAさんは長期のストレスからか『自分が苦しんでるのにのうのうと始業式をやるなんて許せない。学校の始業式を阻止する』などとおかしな言動をしており、心身ともに不調だという。さらにAさんの母親はこう訴えた。
「いくら第三者委員会を開こうが、何をしようが最終的に加害者側が認めない限りは事態は進展しないですから。(加害者側に行なっている)アンケートについてどういう形式の物なのかも一切聞いておりませんし、本当のことを答えるかもわかりません。子どもの望みとしては、謝罪をしてほしいのと、行なった行為に対して償いをしてほしい、そのように思っているとのことです」
第三者委員会は12月をめどに検証を終える予定とのことだったが、場合によってはもう少し時間がかかるかもしれない。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班