顔の輪郭と自己肯定感を変えた「骨削り」​

​​さらに彼女は「骨削り」と呼ばれる美容整形手術も行なった。骨削りとは、顔の輪郭を整えるために、顎や頬骨などの骨を切除・削る美容整形手術。全身麻酔が必要で、ダウンタイム(術後に普段の生活に戻れるまでの回復期間)も長く、高い技術とリスク管理が求められる大掛かりな手術である。​

​​女性らしい輪郭を求め、大掛かりな手術をした。左が手術前​
​​女性らしい輪郭を求め、大掛かりな手術をした。左が手術前​

​​「正直、以前は顔がきつかったけど……手術してから柔らかくなったね、と周囲からよく言われます」​

​​美容整形を決断したことが彼女の自己肯定感を大きく押し上げ、日々のモチベーションにもつながっていったという。外見の変化は、写真を見比べれば一目でわかるほどだ。​

​​“膣の拡張”を行う専用スペースもある専門クリニック​ 

​​美菜さんが手術先に選んだのは、性別適合手術(SRS= Sex Reassignment Surgery)の分野で世界的に知られ、年間100件以上もの手術を手がける有名な病院のひとつだ。​ 

​​クリニックの前でポーズをとる美菜さん​
​​クリニックの前でポーズをとる美菜さん​

​​タイで手術するにあたって最も心配していたのは衛生面だった。しかし実際に足を運んだ病院は、日本製の設備を導入し、想像以上に清潔だったという。​

「入ったのは個室。ホテル並みの設備で驚きました。想像していた“安かろう悪かろう”とは全く違いましたね」​

実際の病室​
実際の病室​
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 ​​患者は術後に専用の宿泊施設に宿泊できる。施設では膣の拡張(ダイレーション)を行う専用スペースや、ホテルの部屋にナースコールを設置するなど、サポート体制は徹底していたという。この徹底ぶりが、タイが“性転換手術の本場”と呼ばれるゆえんだろう。​