虎屋、赤福はどう受け止めたのか

日系金融機関でアジア諸国に駐在員として勤務する35歳男性も、「『とらやの羊羹』をもらったら嬉しい。日本から土産としてもらったものは全てありがとうですわ」と語る。

「赤福餅も嬉しいけどね。もらう側なんだし、持ってきてくれた気持ちに感謝するわけなんだから、こっちがケチつける内容じゃないと思うけど。
『とらやの羊羹』って崩れにくいし、ビジネス面でもちゃんとした場面で渡されることがほとんどなので、『大切に思われているんだ』と感じるよ。

あとは駐在員の多くは筋トレにハマりがちで、運動後のエネルギー補給として羊羹が好まれることが多いから、私ももらったことがあるけれど1ミリたりとも残念な気持ちにはならなかった」

赤福餅もいただいたら嬉しい(PhotoACより)
赤福餅もいただいたら嬉しい(PhotoACより)

夫がエネルギー系企業に勤め、ともにアジア圏の首都へ渡った30代女性は、投稿主の駐在妻の現状について次のように推測した。

「投稿主のようなマウントをとりがちな妻ってけっこういますよ。例えば、旦那がどこの会社に勤めているかやマンションが何階にあるとか。さらには行き帰りの飛行機がビジネスクラスかどうかや、会社から用意される現地の送迎の車がアルファードかどうかとかまで気にする。

生きてる世界が狭いというか、生活の範囲が限られているから仕方ないですよね。現地に馴染めず友達ができずSNSばかりみている駐在妻もよく見かけますよ」

駐在妻にも庶民にはわからない苦労があるのかもしれないが、今回の騒動を「虎屋」や「赤福」はどう受け止めているのか――。

株式会社虎屋に質問を送ったところ、メールにて以下のような高級感が漂う回答が返ってきた。

「この度はご連絡いただき、誠にありがとうございます。お問い合わせいただいた件につきましては、回答は差し控えたく存じますが、多くの皆様に弊社の羊羹をご愛顧いただいておりますこと、大変ありがたく受け止めております。

これからも『おいしい和菓子を喜んで召し上がって頂く』という理念のもと、皆様にご満足いただける菓子とサービスの提供に努めてまいります」

また、“巻き込まれ事故”にあった赤福餅を販売する株式会社赤福(三重県伊勢市)は、「大変申し訳ございませんが、ご回答は差し控えさせていただきます」と電話で丁寧なお断りをちょうだいした。

歴史ある伝統和菓子料理の名門店は、炎上の対応も品位あふれるものだった。

「とらや」本店(撮影/集英社オンライン)
「とらや」本店(撮影/集英社オンライン)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班