Aの父親と永平寺に事実確認すると……  

女子高生を恐怖に陥れた修行僧Aとはいったいどんな人物なのか。

Aの実家は茨城県にあり、父親も住職を務めている。Aは永平寺には令和4年の春に上山し修行は“4年目”だったが、事件を起こしたのちに下山させられている。

事の真相を聞くため実家を訪ねてみると、父親が玄関口で声を荒らげた。

永平寺(撮影/集英社オンライン)
永平寺(撮影/集英社オンライン)

――息子さんが永平寺で事件を起こしたことは聞いてらっしゃいますか?

「いきなりなんなんだ。知らないよ。誰からそんなこと聞いたんだ! 突然来るなんて失礼だろう!」

――息子さんは永平寺から下山していると思いますが、実家にはおられませんか?

「いったい誰からそんなこと聞いたんだ!」

――では今、永平寺にいるのですか?

「知らん」

――何の連絡も来ていないんですか? 息子さん携帯電話は持ってないのですか?

「携帯電話なんて持っているわけないだろう。いったい誰から聞いたんだ。言えないのか。ならいいっ」

そう言うと父親は力強くドアを閉めてしまった。永平寺に事件の経緯と事実確認を行うと、文書で回答がきた。回答の一部を抜粋してお伝えする。

≪お尋ねの不祥事が永平寺での宿泊参禅研修中に惹起致しました事は、真に恥ずかしく申し訳ないことでありますが事実であります。研修中に衣服の上から臀部を触るという性加害事件が発生致しました。

(中略)不祥事発覚後、永平寺では直ちに事実関係の調査を行い、関係規定に遵い関係者に対して相応の処分を行うと共に、当該校に永平寺の責任ある立場の役員が謝罪に上がりました。

其の後、被害を受けた方とその保護者の方々に対し、本山重席の役員が直接謝罪と説明を行い、学校側に対しましては今後も真摯で丁寧な対応をさせて頂くことをお伝え致しました≫

また、女子生徒たちが通う高校にも被害届提出の有無や学校としての今後の対応について聞いたが担当者不在のため回答は得られなかった。

永平寺(撮影/集英社オンライン)
永平寺(撮影/集英社オンライン)
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 曹洞宗の座禅においては様々な思惑や欲にとらわれないことが肝心だと説かれている。3年以上、厳しい修行を積んできた修行僧でも欲にとらわれてしまった。傷ついた少女たちの心が一日でも早く救われることを願わずにはいられない。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班