「いろいろ見つける時間にしたい」
かわいらしい少女時代ではなかったという須田だが、SKE48時代は、“握手会の女王”とも呼ばれる神対応でファンの心を掴み、2018年の『AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙』では自己最高となる2位に。
また、加入から約10年がたった2019年に、26thシングル「ソーユートコあるよね?」で初センターを務めている。どのような思いをもってアイドル活動に取り組んだのだろうか。
――須田さんは、様々な目標を立てて達成してきた人だと思います。最初に達成したと思えることは何でしょうか。
最初に「これをやろう」と決めて達成したのは、多分クラシックバレエをやっていた高校生時代です。『Clara(クララ)』というバレエ雑誌があるんですけど、コンクールで優勝すると顔写真付きで載れるんです。それに載りたくて、「優勝しなきゃいけない」と思ったんです(笑)。
しかも、私は力ずくでもぎ取るタイプ(笑)。私は、そのコンクールで2位だったんですけど、1位の該当者がいなくて、必然的に2位が優勝みたいな感じになって、バレエ雑誌に載る夢がかなったんです(笑)。
SKE時代も、入ってすぐの頃から家では「センターになる」と言ってましたね。そこから時間はかかったけど、ほんとにセンターをやらせてもらったり。
――なぜ達成できたと思いますか。
私は、執着心がすごく強いんです。夢叶えるために必要なことって、執着だと思います。
「ほしい」「やりたい」「叶えたい」ぐらいのポジティブな言葉だと、キラキラしてて負けちゃうと思うんです、荒波に。なんというか、ドロっとしてるぐらいの方が、力ずくで叶えるにはちょうどいいと思います(笑)。
須田は今年10月に34歳となる。40代に向けて、いまどのような活動をしたいと考えているのだろうか。
――卒業後はどのような思いをもって活動をしていますか。
まず、「こういう芸能人になりたい」とか「こうありたい」というよりは、できるだけニュートラルな状態で生きられる人間でいたいっていう感じです。自分の人生最優先で、メンタルも、生活面も安定して動じずに生きていけるように整えることを意識しています。
さきほどもお話したように、執着心が強いタイプなので、行き先を決めてしまうとそれを達成することばかり意識しちゃうんです(笑)。
センターに立ちたいって思ったらそのための努力をするし、総選挙で順位上げたいって思ったら、分析をしてそこへの道筋を作る。そういうことは、得意は得意なんですけど、それだけが人生の中で楽しさじゃないって考えて、一旦やめようと。
今、出会った目の前の人と何が生まれてどこに行き着くっていう、そういう予定しない楽しさって素敵ですよね。 だから、「こういう仕事、やってみませんか」って言われて、仮に「え、興味ないな」って思っても、その先に何かがあるかもしれないっていう好奇心で挑戦しようと思っています。もし違ったらそれはそれでいっかみたいに(笑)、そのトライアンドエラーを楽しんでいます。
――もしかしたらそういう取り組みの中で、新しい目標が見つかるかもしれないですよね。
そうですね。今、私は33歳なんですけど、40歳になった時にやりたいことが絞れたらいいなって思ってます。30代はほんとに肩の力を抜いて、いろんなことに挑戦して、好きなこと、嫌いなこと、苦手なこと、得意なこととかいろいろ見つける時間にしたいです。
目標に向かって突き進んだアイドル時代を経て、いまは自由、ときには失敗さえも楽しんでいるという須田。今後、新たなる目標を定め、それを達成する姿を見せてくれるのが楽しみだ。
映画『男神』9月19日(金)より公開
「決して入ってはいけない」と語り継がれる正体不明の穴に、禁忌を破り息子を助けにいったことにより起きる得体のしれない恐怖と狂気、家族の悲劇を描くファンタジーホラー。
出演/遠藤雄弥 彩凪翔 岩橋玄樹 須田亜香里 カトウシンスケほか
監督・脚本/井上雅貴 原案/「男神」(八木商店)
配給/平成プロジェクト 配給協力/東京テアトル
2025年/日本/93分/カラー/シネスコ/5.1ch
(C)2025「男神」製作委員会
公式サイト https://otokogami-movie.com/
取材・文/羽田健治 撮影/廣瀬靖士