豊田章男経産大臣、安野デジタル大臣…石破改造内閣の顔ぶれをうらなう

ただ、立憲民主党内にもこうした野田代表の動きに不満こそあれ、いま選挙をしたくない、という利害では一致している。そのため、本格的な「野田降ろし」に発展する動きはない。

いまの日本政治の状況は、自民内で「石破降ろし」が吹き荒れ、野党第一党の党首がそんな石破総理を全力支援するといういびつな状況だ。「延命共同体」とも言える。世界情勢が混沌とする中で、日本政治の迷走に終わりが見えない。

8月末に森山幹事長が辞任表明をしたら、9月中に党役員人事、とりわけ後任の幹事長を決められるかどうかにも石破政権の命運がかかっている。

しかし、いまは自民内の9割が「石破氏は辞めるべき」という姿勢で、人事は難航するだろう。どんな党役員人事・内閣改造が想定できるのだろうか? 筆者の予想を以下に記す。

<内閣>

赤澤亮正官房長官
平将明経済再生担当大臣
村上誠一郎総務大臣(再任)
船田元財務大臣
豊田章男経済産業大臣(民間)
岩屋毅外務大臣(再任)
中谷元防衛大臣(再任)
小泉進次郎農水大臣(再任)
世耕弘成文部科学大臣
安野貴博(チームみらい党首)デジタル兼AI活用促進特命担当大臣

<党役員>

菅義偉副総裁(再任)
鈴木宗男幹事長 
細野豪志政調会長 
野田聖子総務会長

党内9割が続投に反対とも言われる石破総理の組閣

党内9割が続投に反対しているとも言われる石破総理の組閣だ。数少ない党内の「反石破ではない議員」をかき集めてみた。それでも足りないところには他党や民間から任用でしのぐしかない。

総裁選への野心を隠さない林芳正氏は官房長官への留任要請を断るだろう。ここは最側近で腹心中の腹心と言える赤澤経済再生担当大臣に内閣の要となる官房長官を託すしかない。

トランプ関税交渉をまとめあげた手腕と経験、そのとき培った霞が関の人脈をフル活用し、石破政権の屋台骨を支えてもらう。

赤澤氏の後任の経済再生担当にはこれまた側近の一人、平将明デジタル担当大臣をスライドさせる。村上氏、岩屋氏、中谷氏は総理の数少ない”精神安定剤”でもあって留任だ。

財務大臣も総裁選への意欲がある加藤氏は外れたがるだろう。ここには自身のメールマガジンで石破総理の続投を支持してみせた船田元氏を起用する。

目玉の一つは慶応高校で同級生だった(高校時代はお互い接点はなかったらしい)トヨタ会長の豊田章男氏の起用だ。トランプ関税を巡り、都内ホテルで今年5月には面会している。日本最大の時価総額企業の会長に日米貿易摩擦を所管する最前線を託す。