「カネ・票・ポスト(人事)」が最優先
少し乱暴な言い方だが、政治家を応援するだけでは、あなたは何ら影響力を持てない。政治家は「信念」で動くのではなく、「票数」で動く。多くの政治家は国全体の未来よりも、自分の選挙や利益を重視して行動する。それは悪いことではなく、むしろ活用するべき現実である。
たとえば、減税を求める際に、「先生、信じています!」と言うよりも、「減税を公約に入れるかどうか、はっきり教えてください」と問いただす方が効果がある。その上で、約束を破った場合は、口コミやSNSで広く批判を展開する。
政治家は一人のためには動かないが、こうした声が増えれば、政治家は選挙に勝つために公約を守るために行動せざるを得なくなる。信じたり応援したりするのではなく、約束を取り付け、それを周囲に広める。こうしてようやく、自分の影響力を高める事ができる。
政治家は表では「国民のため」と語るが、本音では「カネ・票・ポスト(人事)」が最優先だ。選挙資金を集めるために、支援団体や企業と密接な関係を築き、票を獲得するために特定の地域や業界に利益を提供することは多々ある。
また、人事に関しては、自分に忠実な人物を重用し、権力基盤を強化する傾向がある。こうした裏の動きは、表の「国民のため」という言葉とは大きなギャップがある。
選挙後にどれだけ公約が実現されているかは疑問
さらに、政治家は公約を掲げるが、それが選挙後にどれだけ実現されているかは疑問だ。選挙期間中に掲げた理想的な政策が、支持団体の意向や党内の力関係で変わることも少なくない。
これらの事実は、政治家がどれだけ「私益」と「公益」を分けて行動できているのかを問い直す必要があることを示している。
だから私たちは、政治家が掲げる理想だけでなく、実際にどのような行動を取っているのかを注視する必要がある。
そのためには、選挙中だけでなく、日常的に情報を収集し、議員の言動をチェックすることが大切だ。政治家を監視し、行動を変えさせる力は、有権者の手にある。
ソーシャルメディアや口コミを活用して、不透明な部分を指摘し、批判の声を上げることが重要だ。また、政治家の行動に注意を払うだけでなく、建設的な意見を伝えることも効果的。
透明性と行動の一貫性を求める有権者の力は、政治の質を向上させる。表と裏の二面性を見抜き、適切な働きかけを行うことではじめて、私たち自身が政治を国民の方へと導くことができる。
文/小倉健一