ドクター・中松「私の存在と発明は“国宝級”」

6月26日に97歳の誕生日を迎えた「ドクター・中松」こと、発明家の中松義郎さん。

当日に行なわれた「サー中松博士 100-3才大誕生祭」ではしっかりした足取りで登場し、壇上でスピーチを敢行。取材に訪れた海外メディアには淀みない英語で切り返していた。

その前日に行なわれたフジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングスの定時株主総会には一番前の列で開始から終了まで耳を傾け、30年来の株主としてフジテレビ再生のために「発明」した「健全に復興させるためのドクター・中松ドクトリン(※)」を議長に提案した。(※中松さんが考える経営方針や行動指針のこと)

取材当日も、小粋に整えられたオールバック、ヴェルサーチェの特注ジャケットにネクタイ、そこに夏らしい白いパンツを合わせた姿はさながら名作映画の俳優のよう。足元の室内履きはフェラガモだった。

ハイブランドに身を包むドクター・中松(撮影/佐藤靖彦)
ハイブランドに身を包むドクター・中松(撮影/佐藤靖彦)
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格好はもちろん、その内実も、「年相応」という言葉からは遠く離れている。

あまたの賞状やトロフィーに囲まれ鎮座する、その神々しいまでの金ピカぶりに、思わず“国宝”という言葉が口をついて出た。

「そう。私の存在と発明は“国宝級”なんです。なのに日本だけ、私を認めない。

今でも新聞数紙を隅から隅までくまなく読むのが日課で、日本と世界情勢のゆくえについて常に考えている。そして、毎日と言っていいほど発明をしている。

今日もね、アメリカから特許申請の許可通知が届いたんですよ」(中松さん、以下同)

これまで4000件近い“発明”を世に送り出し、その功績が称えられ全米各地や世界の主要国に「ドクター・中松デー」が制定されているという中松さん。今回はどのような特許なのだろうか。

「あまり詳しいことは言えないのだけれど、新しいスマートフォンの仕組みです。現在スマートフォンは海外製ばかりですが、日本の“モノづくり”の原点を見せつけるようなものですよ。

私のこの仕組みなら、日本の産業も盛り返すことができます。なんたって、アップルウォッチの原型ともいえる “ウデンワ(携帯電話がついた腕時計)”を最初に発明したのは私なのだから」

普通の人なら特許申請はおろか、発明を形にすること自体なかなかできることではない。だが、中松さんにとって発明は息をすることと同じレベルなのだろう。