「子どもを科学沼に落とすのが生きがい」な理科雄先生
僕の経営する空想科学研究所には、『ジュニア空想科学読本』などの読者から、毎日さまざまな質問が届く。多くはまんがやアニメに関するものだが、ときどき「柳田理科雄先生のようになりたいけど、どうすればいいですか?」というものがある。
柳田みたいになりたい? なんで? と思うが、実際わりと聞かれるのだ。読者は柳田にどんなイメージを持っているのだろう?
そんなことを思ってたタイミングで、『もしも桃太郎のおばあさんがマッチョだったら』という学習まんがを出すことになった。著者名こそ柳田理科雄になっているが、メインのまんがを描かれたのは、『めだかの学校』などで知られる森ゆきえ先生だ。
そして、このまんがに登場する「理科雄先生」というキャラがたいへん面白い。自分の体を魔改造し、「子どもを科学沼に落とすのが生きがい」と言い、科学的に正しい昔話を示して、子どもの夢を打ち砕く。まんがだから誇張があるとはいえ、実際の柳田理科雄と共通する部分がかなりある。
柳田になりたいと思う子どもたちには、この『桃ばあ』(←勝手に省略)をぜひとも読んでほしい。でも「ホントにこんなヒト?」と思うかもしれないから、この原稿で僕が少し補足しておこう。僕は空想科学研究所の所長で、柳田は主任研究員だが、個人的なつき合いはずっとずっと昔にさかのぼる。話はやや遠回りになるが、少しおつき合いください。