老化マウントからの病気マウント
光浦(靖子)さんが「これ、更年期にいいんだよ」とカナダのお土産にくれたピンクの巨大なサプリメント。
それを飲んだら、女性ホルモンを刺激されたのか、乳首がビックリするくらい痛くなっちゃってね。
「なにこれ‼︎ 乳首が取れそうなんだけど‼︎」とクレームを入れる私を見て、光浦さんが爆笑していたのが最近の出来事。
そんな更年期ネタだけでなく、立ち上がるたびにきしむ膝、すぐにエノキがはさまる歯間、土色に近づく肌のくすみ、髪の毛だけでなく下の毛や眉毛まで侵略してくる憎き白髪……老化ネタもつきることがなくてね。
さらには、「私の乾燥した踵はまるで霜が降りたみたいに真っ白だ」と私が言うと、(いとう)あさこさんが「私なんてまるで吹雪のように粉が舞う」と言い始め、そこから始まる謎の老化マウント。からの、病気マウント。
誰にだって必ず訪れる老いへの戸惑いを共有したり、一緒に笑って昇華したり、同世代の仲間達にはだいぶ助けられています。
かといって、楽しく老いと向き合えているのかと聞かれたら、それもまた、決してそんなことはなくて。
老いは怖い。間違いなく怖い。
「怖くない」なんて言わないし、絶対に言えないよね。
私が老いをしっかり自覚したのは45歳ぐらいだったかな。
お酒が残る、目の下のクマがとれない、起きたら関節が強張る、とにかくだるい。
そこから40代後半にかけて「疲れが取れない」がどんどん加速。
老いとはもう8年くらいの付き合いになるのでね。
だいぶ慣れてきているし、一通りの“老い”アイテムも出揃った感があるから。
当分、新規のアイテムは出てこない気がするから。
それをいかに悪化させずに、この健康状態をキープするか……。
今、ちょっと怖いのが尿もれね。
クシャミと同時にうっかり出ちゃうアイツね。
年齢を重ねるごとに、耳が遠くなり、足腰が弱くなり、生き物としての機能がどんどん衰えていく。
それは今、自分の両親を見ていてもリアルに感じること。
だからこそ、老いは怖い、超絶怖い。
でも、悲しいかな、人間は必ず老いていくんだよね。
今の私が立っているのはきっとまだ初老のスタートライン。
多少不具合があっても、まだ動く、まだ聞こえる、まだ見える。
だからこそ「STOP‼︎ 加齢‼︎」。
今日もまた日課のアンチエイジングエクササイズに励み、高価な若返りサプリを飲む私。
尿もれ防止のための骨盤底筋スクワットも、そろそろ始めようと思います。
聞き手・構成/石井美輪 題字・イラスト/中村桃子 撮影/露木聡子