同僚のアプリ婚に背中を押され

元夫と死別して20年以上が経ったころ、自然な形での出会いでパートナーを求めていたRさん。しかし、保育士という職業柄、なかなか出会いもなく苦戦していた。そんなとき、マッチングアプリに出会ったという。

「いつも一緒に働いていた若い女性保育士さんが、寿退社することになったんです。彼女の最終出勤日、業務で2人きりになる機会があったので、思い切ってどうやって出会ったのか聞いてみたら、マッチングアプリだと聞きました。

これまでマッチングアプリって『怖い』ってイメージがあったんですが、彼女もすごくいい子だし、出会った男性に対しても『未だかつてないぐらいイイ人』と言っていたんで、彼女に登録の仕方とかを聞いて、その日のうちにアプリを登録して婚活を始めたんです」

3月末に登録し、1カ月以内に7人程度とマッチング。何人かとアプリ上でメッセージのやり取りをし、その中で初めてデートした男性が、再婚相手でもある現在の夫だった。交際から1年半で同棲を始め、そこから約1年後に入籍した。

「結婚生活は大変なことも多いですが、一人だとネガティブ沼に陥ってしまう私に、彼は優しく寄り添ってくれるし、いつも明るくポジティブなので一緒にいてとても楽しいです。アプリで活動してよかったと思っています」

熟年離婚件数が高止まりを続けるなか、若年層のみならず、ミドルシニア世代にも拡大しているマッチングアプリ。東京商工リサーチ情報部によると、マッチングアプリの運営会社数は5年で約6倍に増え、市場規模は年々拡大しているという。

ミドルシニア世代を中心にアプリを利用した“ラス婚”が盛況(写真/アイザック株式会社提供、以下同)
ミドルシニア世代を中心にアプリを利用した“ラス婚”が盛況(写真/アイザック株式会社提供、以下同)