文春への情報提供者の“捜査”が委員会の目的か
昨年3月に元西播磨県民局長がメディアなどに匿名で伝えた斎藤知事の疑惑について、第三者委員会が今年3月、斎藤知事の11件のパワハラを認定する報告を出している。今回登場したのはこれと別の“第2の第三者委員会”だ。
「県は告発者を特定する過程で元県民局長の県公用パソコンを取り上げています。その中にあったファイルだとするものを昨年11月末から立花氏やNHK党副党首の丸山穂高氏がSNSで次々と公開したんです。内容は私的なもので、知られれば7月に自死とみられる急死をしていた元県民局長の名誉を傷つけるものでした。
これらのファイルが“本物”なら県が保管する個人情報が漏えいしたことになるため、県は県警に捜査を依頼したり、立花氏らのポストの削除要請をSNS運用者に行なうべきではないかという指摘が斎藤知事の記者会見で上がりました。しかし斎藤知事は、立花氏らがポストしたファイルなどが本物か『中身を確認する必要がある』といって第三者委員会を作りました」(県政担当記者)
だが、この委員会はしばらく謎の存在だった。
「メンバーも調査対象も県は一切発表しなかったんです。なのに県議会に活動費として600万円の予算を求めてきました。これに議会側が反発、県に活動内容の公表を求めました。そして第2の第三者委員会が県当局に調査結果を提出した3月31日になってようやく県は、この委員会の『調査実施要綱』を明らかにしたんです。
これにより、「立花・丸山両氏が拡散させた4つのデータ」だけでなく、「週刊文春電子版が報じた記事につけられた6件の県内部資料」の真偽を調べることが委員会の目的であると分かりました。
文春の記事は、斎藤知事の指示を受け告発者捜しが行なわれた経緯などを伝えたもので、基になったのは無論、私的なデータではありません。しかし委員会は両者をともに“ネット情報”と呼んで同列視していたのです」(県議会関係者)