Aが携帯を取り上げたに違いないと確信しました
被害届との前後関係ははっきりしないが、祖母の姉は昨年秋にAを呼び出して叱責したという。
「私も1回、公園に呼び出して怒ったことあるんですよ。女の子に手を上げるなんて何事だって注意すると『もう別れました』というわりに、『3分間だけでもいいから、アサヒと2人っきりで話させてくれ』と言ったりね、話しても響いているかわからない、ずっと手をブルブルさせてた。
だから私は『アサヒはもう怖くてあなたと会いたくないと言っている。あんたのウチに置いてあるアサヒの荷物は全部持ってきてくれ』と言ったんです。
するとAはウチの店に荷物を持ってきた。アサヒの自転車もなくなっていたから、『自転車もあるはずだからそれも持ってきて』と頼むと素直に持ってきた。でもその自転車は、11月ごろに再びなくなってたんですよ」
この頃から、Aは連日、彩咲陽さんの自宅や店の周辺をうろつくストーカー行為を繰り返すようになったという。そして2024年12月20日、祖母が起きた時に彩咲陽さんの姿はすでになく、家族の前に再び現れることはなかった。
10日前の誕生日で二十歳を迎えたばかりだった。フードをかぶってマウンテンバイクや徒歩で店の前や自宅周辺を執拗にうろついていたAも、その日からパッタリと店や自宅周辺から姿を消した。
「12月20日の朝、あの子のおばあちゃん、私の妹がね、あの子がいないからびっくりしてアサヒの携帯にLINEしたんですよ。『どこにいるの?』って。そうしたら、コンタクトレンズがどうとかでお友達と一緒にいると。
でもなかなか帰ってこないしLINEの返事もその後なかったから、妹がそのお友達に電話したらアサヒとは一緒にいないって言われたそうなの。その後は妹も私もアサヒの携帯に何度も電話したりLINEしたけど既読もつかなくなった。これまでのパターン通り、Aが携帯を取り上げたに違いないと確信しました」
そして2日後の12月22日、家族は彩咲陽さんの捜索願(行方不明者届)を川崎臨港署に提出した。一階の窓ガラスがバーナーで焼き切られたようにして割られ、侵入された形跡を発見したからだった。しかし、現場に来た同署の女性刑事はこう言い放ち、家族を絶望の淵に突き落とした。
「事件性はありませんね」
なぜこの状況で警察は事件性がないと判断したのか。不可解としか言いようがない。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班