幼少期から笑わせるのが好き
中国といえば、その人口の多さから、教育熱心で学歴第一の競争社会という印象もある。いぜんさんの育った家庭はどうだったのだろうか。
「お父さんもお母さんも、2人揃って育児理念がいい加減だったというか。ほかの家庭とは違う感じでした。私はひとりっ子で、両親とも中国では普通の公務員系。私が勉強をしていると『なんでまだ勉強してるの? そんなの適当でいいんだよ。早く一緒に山へ行こうぜ』って言ってくる感じで。まるで友達みたいですよね」
今は親元から遠く離れ、日本へ来た、いぜんさんだが「私が一番仲のいい友達はお母さんかもしれません」と語る。
「毎日お母さんと電話していて、研究のことや恋愛相談とかも何でも話せる感じです。いつも『いぜんがやりたいんならやればいいじゃない』って後押ししてくれて、いい親子関係だなと思います。あまり勉強しろと言われなかったからこそ、自分でしたい勉強や、やりたいことを見つけられたのかもしれないですね」
信頼できる両親のもとで育ち、学生時代、成績はいつもトップクラス。「圧倒的強者の学生生活を送っていたのでは?」と尋ねると。
「中学生のころは教科書を1回読めばすぐわかる感じでした。運動でも、男子と走っても負けなかった。髪型はずっとショートカット。活発でいつも走り回っていましたね」
そんな元気溢れる少女は、幼い頃からお笑いのセンスをのぞかせていたそうだ。
「性格も小学生のころから変わっていなくて、いつでもおもしろいことを言いたい、みんなを笑わせたい、と思っていました。
授業中、先生がしゃべったことにツッコミを入れたりしていたので、面白がられていたとは思うけど、『いぜんはあんな感じなのに勉強ができて、性格も変わってる』って、周りからは引かれているというか、距離を置かれている感じもありましたね(苦笑)」