『みなさんにも原因がある』発言は道理が通りません

エステ業界、英会話業界など、会員制度、前払い制度を取るビジネスではこれまでも大きなチェーンが突如倒れる例があった。

かつて全国展開してテレビCMも流していた英会話教室『NOVA』が倒産した際も、実は400億円以上の負債があったことが判明して大きな話題になった。

では今回のミュゼの場合、経営危機の状況下で、どのような経営責任があるのだろうか。

「私は経営内で何が起こっているかは詳しくわからないため、社長の発言のみについていうなら、『退職勧奨』自体は、間違ったことではありません。ただ、『みなさんにも原因がある』発言は全く道理が通りません。

社長や経営陣は相応の待遇(給与などの特権)を得ている分、経営責任があります。しかし社員はもらっている給与分以上の責任はない。つまり当然ながら経営が傾いた責任は経営陣にあるのです」

前述の従業員によれば、未払い分の給料については現経営陣から、「旧経営陣に損害賠償請求をして、損害賠償請求で得たお金で払います」と説明されているというが、そこでお金を得たとしても支払われるのはおそらく1、2年後になるという。

従業員用のLINE窓口(画像、従業員提供)
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多くの従業員、そして支払った分のサービスをまだ受けられていない顧客が、少しでも救われるための経営判断が求められる。

取材・文/集英社オンライン編集部