弱視によりさまざまな困難が…
――58歳になられましたが、今はどういう症状が出ていますか?
目が弱視です。ビニール袋をかぶってモノを見ている感じで、ぼんやりしています。まるで思い出の中で生きているよう。だからひとりで出掛けられなくなりました。基本的には、妻、マネージャー、芸人の後輩、誰かに付き添ってもらっています。杖も使っていますね。
――仕事への影響は?
ナレーションの仕事が大変です。原稿の字が見えないので、文章を言ってもらって、それを覚えて収録しています。スタッフに迷惑をかけちゃってますね。
クイズ番組にも出ることができないですし。出題に図解や写真などあり、音声だけではないので正解を判断することができません。
(ライブなどの)ステージは立ち位置を確認するため、しっかりリハーサルをやるようになりました。舞台から降りてお客さんのもとへ回るのも、後輩に一緒についてもらって回っています。困るのはお客さんからチップを差し出されても見えないことかな。損しているかも(笑)。
――目が見えないことで、怖い思いをしたことはありますか?
営業で初めて訪れる場所や、段差は怖いですね。
親切に教えてくれる人もいるんですが、人によって階段の数え方って違うんですよ。「あと3段です」と言うので、3段で終わりかと思うと、もう1段あることがあって。立っている最初の段を「なし」にして数える人もいれば、「あり」にして数える人もいるんですよ。そういうときは怖いです。
神経障害で足の感覚がないので、階段を踏んでいる感覚もないんです。だから階段はとくに怖いですね。
――人工透析を受けてらっしゃるとお聞きしました……。
老廃物を体から排出する腎臓が機能していません。だから人工透析を受けています。6年前からですね。腎臓が悪いと、吐き気がずっと続いて食欲がない。どんな匂いも気持ち悪いんです。具合の悪さに薬が追いつかないんですよ。それで始めました。