「日本人は家族間でプライバシーを気にしないんですか?」
「それまで住んでいた香港で50平米の高層マンションに住んでいました。東京の家賃は香港の約半分ですので、100平米の家に住めると期待していたんです」
娘がインター校に通っているので、中央区、江東区、墨田区で物件を探していたそうだ。
「100軒くらいは不動産を見て回りました」と、自嘲気味に笑う。それでも自分たちの希望する条件に合う部屋が見つからなかった。
「日本人は家族間でプライバシーを気にしないんですか?家で家族の裸を見てしまったりしますか?」と逆に質問された。
「それか、夏の暑いときにでも、体を洗った後でも、少しだけ衣類を着てそのまま寝るとかせずに、すぐに服を着るのかのどちらかだと思うんです」
夫妻は浴室が2つついている物件を希望していた。トイレも2つあればなお理想的。娘のプライバシーを守りたかったのだ。
少し前に親戚3人が家に泊まったときも、浴室の問題は大きかったという。
「交代で入ったらすごい時間がかかりますよね」
中国人は親族を家に泊まらせることもよくあるため、そう言われてみると日本のデザインは不便に感じるだろうなと気付かされた。
その他にも、一軒家であれば、大型自家用車が停められることが条件だったという。奥さんにとっては路地が狭いことは減点ポイントになる。