PTAの過去4年間の会計に「使途不明金」が…
また、何よりも問題を感じたのは、PTA担当が30代教員からK先生に切り替わった年に改めてPTAの会計を見直した際に、過去4年間にもわたり「使途不明金」があったことだという。
「保護者側と教員側のどちらにも領収書のないものや、誰が使ったかもわからない香典など、5万円ほどの使途不明金がありました。
副校長と先ほどの30代教員に問い合わせると『自分は印鑑を押しただけ』と言い、挙句『今年の担当はあなた(K先生)だから、そちらで確認してくれ』とか『もう校長の決裁が下りてるから問題ない』などと言ってきて…。過去の問題は、今年の担当者である私が対応すべきだと責任をなすりつけてきたのです」
隠ぺい体質の管理職とゆとり世代の教員の間で板挟みとなり、理不尽な対応を迫られる形となったという。
K先生は「県立校は県のお金で、PTAは保護者のお金で運営されていること、そんな意識を元に『ミスなく良好』の精神で20年間教員を続けてきた」という。
そんなK先生にとって、これらは「これまでの教員生活で自分が信じてやってきたことは何だったのか」と打ちのめされる出来事だった。
「この高校に入り、総括教諭の立場に推薦していただけたのはよかったですが、昇給はたった7000円です。他に5名いる総括教諭の中には、やりたくない仕事は全力で断る方もいます。私を含め他の教諭に仕事のしわ寄せが行きます。
これまで私が勤めてきた県立高校には、教諭同士がタッグを組んで偏差値の上がった高校もありましたが、この学校の教諭の『やる気のなさ』は、他の教諭にも伝染します。私はもう、熱意を失いました」
K先生はすでに退職届も出しており、その決断が変わることはない。今後、一般企業への就職も考えているという。