没入とはフロー状態になること

没入とは、辞書によるとこのように書かれています。

「入ること、陥ること、没頭すること」

「何かに没頭していること、何かの世界に入り込んでいること」

この没入という感覚は、スポーツをされている方はご存じの「ゾーン」や「フロー」に入る感覚と近いでしょう。 

没入状態になるためには、この「フロー」を探っていく必要があります。

フローという概念を生み出したのは、アメリカのクレアモント大学院大学の特別栄誉教授ミハイ・チクセントミハイです。

チクセントミハイは、「最高の楽しみの瞬間」「外部の力で運ばれていく感覚や努力せずに流されていくような感覚」「複雑なことでも思ったことが思ったように進んでいく状態」をフローと名付けました。

こののめり込んでしまう状態であるフローをより実感するには、「よい本を読むこと、読書中に我を忘れるほど登場人物になりきり、物語に没頭すること」と述べています。まさに没入読書といえますね。

年間3000冊以上読破する読書家の渡邊康弘さん
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フロー状態を感じているときには、7つのことが起こっています。

その7つとはこちらです。

1●目標が明確:何を目標としているかが明確で、その道をたどる過程での経験を楽しんでいる状態。
2●即時フィードバック:自分がしていることに対して、どれくらいやれているかというフィードバックを得られている状態。 
3●「チャレンジ」と「スキル」のバランス:自分の能力に対してある程度のレベルの複雑さにチャレンジしている状態。
4●集中の深化:没頭して、集中の度合がある基準を超えたために、突然その世界の中に深くのめり込んでいる状態。
5●現在に集中:楽しく、ワクワクしていて、いまこの瞬間に集中している状態。
6●自己コントロール感:こうしようと思ったことが思ったままできる、自己やその場をコントロールしているような感覚がある状態。 
7●時間感覚が変化:実際の時計の時間よりも、妙に長く感じたり、反対に短く感じたりする状態。

この7つが生じていると、自分自身を忘れているような没我の状態になります。

本を読んでいて、この状態になるのが「没入読書」です。