「卒業」で送り出したはずの党内からは反発の声も
ただ、蓮舫氏の出馬をめぐって党内からは反発の声も出ている。
都知事選前には同僚議員の前で涙を流しながら「今日で卒業させていただきます」と参院議員を辞して都知事選に挑戦することを表明。立憲の参院議員たちは拍手で送り出したが、「蓮舫氏は自分ばかり目立とうとするので、煙たがる議員もたくさんいた。内心では、参院を出ていってくれて清々した議員も多かったのでは」(立憲議員)という状況だったという。
それが1年足らずでのカムバック報道となり、不満の声が渦巻いているのだ。さらに、蓮舫氏が出馬するのが参院全国比例だということも、党内では波紋を広げている。
「参院選の全国比例は、労働組合の組織内候補の指定席。そこに蓮舫氏が割って入ると、誰かが落ちる可能性が高まる」(立憲関係者)
実際、2022年の参院比例では、知名度が高い辻元清美氏が得票数で1位になったほかは、2位が自治労、3位が日教組、4位がJP労組、5位が基幹労連…といった具合に、労働組合の組織内候補が当選者一覧に並んだ。このときに立憲が比例で獲得できたのは7議席で、7位には情報労連の組織内候補がギリギリ入った。ただ、今や立憲の支持率は国民民主に水をあけられることも多く、比例の議席を前回参院選と同様に確保できるかは不透明なため、ただでさえ少ない椅子の奪い合いに蓮舫氏が入ってくることに戸惑いの声が上がっているのだ。
「党幹部としては、『蓮舫』と書いてもらえれば立憲の参院比例の票の上積みになるという考えだが、都知事選でも分かったように、蓮舫人気はもはや陰りが見えている。戦略ミスで組織内候補が落ちれば、執行部の責任も問われることになる」(同前)