投手をやめたら「打撃には悪い方向に響くだろうね」
ブランドン・マクダニエルの理論で、大谷の投手としてのリハビリは、試合で打者として出場しているからこそ順調に進んでいるというのがあるが、ドジャースのアシスタント打撃コーチであるアーロン・ベイツも、大谷が打者として試合に出ているからこそ投手としての恩恵も受けていると考えている。
「私にも自分なりの理論がある。正直、完全に正しいのかどうかわからないが、来年には正しいかどうか証明されるだろう。仮にショウヘイが来年いっさい投手としての活動をやめたとしよう。そうなればおそらく、打者としての破壊力は少しずつ落ちていくと私は思う。
なぜなら、投手としてのワークアウトは打者としての彼に大きな力をもたらしているからだ。メンタル面でも大きく寄与していると思うよ。今年の彼は打撃一本に絞ってエリートの次元に達したわけだ。
そこで投手としてのリハビリを続けていたことはどういう役割を果たしたか。1つ目に、単純に打撃からいったん離れる休息の役割を果たしていた。そして2つ目に、メジャーリーグ一線級の投手を見れば、どれほど強靱な下半身を備えているかわかるだろう。
この強靱な下半身から生み出される力が、ショウヘイのスイングに寄与している側面は絶対にあると思うよ。そんなショウヘイが突然、投手としての活動をいっさいやめたとしたら、今まで投手として積んでいたワークアウトを続けるのだろうか。というのも、あの下半身の強さは衝撃的なものだからね。
あの強靱な下半身は投手として必要だから身についたものだと思う。数字だけを追えば、いいシーズンも悪いシーズンも必ずある。でも、今後も彼は打者としてもっと上を目指し続けると思う。だがあの強靱さがなくなったとしたら、打撃には悪い方向に響くだろうね」
文/ビル・プランケット 訳/タカ大丸