「イライラして、服をつかんだり、ビンタをしました」
弁護側は初公判で起訴内容は認めるとしたが、被告は内田梨瑚被告(22)の舎弟であり犯行は従属的であること、被告が行なった暴行はこぶしではなく平手打ちであるなどと主張している。
まずは、事件に至るまでの経緯から。小西被告は、事件の数年前、内田被告に初めて会ったときのことについて、こう振り返る。
「当時、私が2個年上の男性と付き合っていて、その人が梨瑚さんと友達で、梨瑚さんと関わるようにしてと言われました。嫌でしたが、話すようになりました」
その後、事件の1か月前くらいに旭川市内で内田被告に偶然再会。被告が、アルバイト先を探していたということもあり、内田被告から「舎弟にならないか」と提案され、過去に被告の男性トラブルを仲裁してくれた恩義があったことから承諾したという。
「(内田被告は)優しいところもありましたが、急に不機嫌になったりして怖く、2個年上の先輩で逆らえないという気持ちがあり、怒らせないように気を張っていました」
淡々と当時のことを供述する小西被告。さらに事件当日のことについて質問され、Aさんがコンビニで助けを求めた一件で、被告の怒りは頂点に達したと話した。
「(コンビニでAさんが)自分の言うことを聞いてくれないので、イライラして、服をつかんだり、ビンタをしました」
しかし、被告はあくまで内田被告に指示されるまま、犯行に及んでいたと話す。神居古潭に向かった理由は、内田被告が勝手に決めたと述べる。
神居古潭に到着したのち、内田被告の指示でAさんは全裸にさせられ、アスファルトの上で土下座。その様子を小西被告はスマホで撮影していたが、こう弁解する。
<動画を撮影したのは私ですが、梨瑚さんが動画モードになったスマホを渡してきたので、(Aさんの土下座姿を)撮りました>
特に言葉に詰まることもなく、淡々と話す小西被告には、被告人質問の前に裁判長から声を大きくして発言するようにと指摘されていた。
小西被告は、冒頭ではハッキリとした口調で話していたものの、時間が経つにつれて言葉尻で声の大きさが下がるなど、質問に答える様子は常に不安そうだった。