「被害額は数百万円はいっているのではないか」
――親御さんは子どもに注意しないのでしょうか?
親御さんも懐かしさからおもちゃに夢中になってしまい、お子さんから目を離した隙に子どもたちは次々と場所を移動してしまうんです。「触ってはダメ」となっているものを触って壊したり、そういうことが横行してしまって…。
ミュージアムの入口にも「これを必ず読んでから入ってください」と注意書きを掲示しているのですが、それを子どもに向けて復唱しながら入る親もいれば、読まないで入ってしまう方もいました。
被害額は何万円、何十万円ではなく、数百万円はいっているのではないかと思います。
地元のお客さんが多く、また、新潟には昭和レトロをテーマとした施設がないので、お客さんも慣れていなかったのかな、と思います。
――開館からおよそ1年となる2月3日に閉館されるとのことですが、どんなお気持ちですか。
ミュージアムの公式SNSにもあげていますが、何度か来館してくれた女の子が私に手紙を書いてくれたんです。問題なく遊んでくれる子はたくさんいました。そういう子たちのことを考えると、無念でしかありません。
――今後のリニューアルオープンのご予定はありますか。
私はおもちゃよりも昭和の博物館を得意分野にしているので、大人向けの施設に変える予定です。閉館したら少し休んで、コツコツ作っていこうかなと。春休みくらいにはなんとかしようかなと考えています。
30年以上かけて展示品を集めてきたという中野館長。普段見る機会が少ない貴重なものだからこそ、見る側がつい夢中になってしまうのは仕方のないことかもしれないが、だからといって、どんな行為でも許されるというわけではないだろう。
リニューアルオープン後は訪れる人が静かに体験できる施設になることを願うばかりだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班