「市内のバスにはずっと乗れないことも日常茶飯事ですわ」
ただ、コロナ禍前に見られた「爆買い」は鳴りを潜め、サービスを利用することで得られる体験を重視する「コト消費」を好む人が増えるとの分析から、受け入れ側も商品に工夫を凝らしている。
産経新聞などによると、大阪市の相撲体験施設「THE SUMO HALL 日楽座 OSAKA」は、春節期間中に相撲の歴史を中国語で解説したり、相撲を体験してもらったりする催しを行う。
神戸市のスキー場、六甲山スノーパークでは簡単な中国語に対応したスノーボード教室を開催。京都や岐阜の白川郷、北海道の温泉など、以前から人気が高かった観光地にも中国人客が押し寄せている。
しかし相当なボリュームの観光客による“オーバーツーリズム”に、対応が追い付いていないのも事実だ。
京都市に住む70代の女性は「えらい数の観光客が大きなトランクを引いて移動しはりますので、市内のバスにずっと乗れないことも日常茶飯事ですわ。観光業者さんは儲かるかもしれませんけど、市民の生活は大変です。あんまりひどいんで閑散としていたコロナ禍真っ最中のころが懐かしいくらいですわ。個人的にははっきり言って来ないでほしい。コロナは嫌やけど、街の風景はあのころに戻ってほしい」とも言う。
日本政府は中国人訪日観光ビザ(査証)の緩和を進めるなど中国からのインバウンドに頼る姿勢を強めているが、副作用の対策も同時に進めてほしいとの声は強まる一方だ。
※「集英社オンライン」では、今回の記事に関連して、オーバーツーリズムにまつわる情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com
X(旧Twitter)
@shuon_news
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班