「体力面は心配なし」

ロッテ時代は中10日以上での登板など、大事に扱われていた佐々木だけに、「メジャーの過酷な日程に耐えられるのか」というファンの不安もある。

「みんな忘れてるけど、彼は高3の県予選4回戦(対盛岡四高)で、延長12回194球を投げ切ってるんだから、体力面で心配することはないですよ。
わからないけど、ロッテ時代は球数制限や登板間隔について契約があったのかもしれないね。

それにメジャーは使い捨ての世界だけど、最近はいかに働かずに金を稼ぐかって雰囲気になってる。そこにうまくハマれば、けっこうやれるんじゃないか」(江本氏)

いつもは辛口の江本氏も太鼓判 写真/集英社オンライン編集部
いつもは辛口の江本氏も太鼓判 写真/集英社オンライン編集部

一方、同じくメジャー移籍を目指していた阪神の青柳晃洋(31)もフィリーズとのマイナー契約を結んだ。これについて同じく阪神OBの江本氏は……?

「彼のような変則ピッチャーは向こうにはたくさんいるから、通用するかどうかはわからない。でも、佐々木と同じように、行く以上は日本の野球のレベルの高さを見せてほしい」

そして、江本氏はこうも言って、浮かれる野球ファンとマスコミにくぎを刺す。

「やっぱり日本のいい選手がどんどんアメリカに行ってしまうのは、日本球界の先々を考えたら不安になるよ。
今回の佐々木のメジャー移籍は、契約上の問題でいろいろ物議を醸したんだから、これを機にNPBはしっかりとルール作りをしてほしいね」

佐々木本人はインスタグラムで「とても難しい決断でしたが、野球人生を終えて後で振り返ったときに、正しい決断だったと思えるよう頑張ります」と綴っている。賛否両論が巻き起こる佐々木の決断は、彼の野球人生と世界の野球界にどのような結果をもたらすのか。今後も注目だ。

取材・文/集英社オンライン編集部