求められる対策は…
地震大国ニッポンに住む我々は、巨大地震に対し、どのように備えればいいのか。
「地震活動が世界トップレベルの日本列島に住んでいる以上、南海トラフに限らず、国民全員が大地震への備えを『我が事』として進めていくことが必要です。
対策としてまずは耐震化された建物に住むこと。建物が崩れてしまって下敷きになった場合、助かったとしても地震後に発生する津波や火事から逃げることさえできません」
阪神淡路大震災では、建物の倒壊による被害に加え、神戸市長田区を中心に火災が発生。家屋の下敷きになった多くの被災者が、火災に呑まれて命を落とした。
「それ以外の対策としては、家具の固定と、平常時から避難経路を確認しておくことも重要です。さらに地震発生後はライフラインが遮断されますから、水や食料を備蓄しておくこと。特に都心部では、避難物資が不足する可能性が高いと指摘されています。
地震の予測には不確定性があります。
ただ、先ほど説明した通り、南海トラフ地震は過去に繰り返し起きていて、ひずみも着実に蓄積されているので、時間の経過とともに次の地震の発生日が近づいているのは間違いありません。確率に一喜一憂せず、次の地震に対する備えを強化することが何よりも重要です。
地震による大災害が起きてしまってからでは、取返しがつかないので」
日本列島に住む以上、いつでも襲い掛かる巨大地震の恐怖。だからこそ、日ごろからの備えが求められる。
取材・文/木下未希 集英社オンライン編集部