青学1強時代に待ったをかけるのは…

今年の箱根駅伝は連覇を狙う青山学院、出雲、全日本を制して3冠を狙う國學院、2年ぶりに奪還を目指した駒澤の3強争いといわれてきたが、終わってみれば青山学院の強さが際立つ大会となった。

2015年以降、2019年の東海と2021年、2023年の駒澤以外はすべて青山学院が優勝を果たしていることから、近年の箱根駅伝は青山学院の“1強時代”といえる。

毎年多くの有力選手が入学し、入学後も原晋監督の確立した“青学メソッド”で確実に選手たちが成長するという好循環で、他大学の追随を許さない。

来年の箱根はどうなるのか 写真/shutterstock
来年の箱根はどうなるのか 写真/shutterstock
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「出雲、全日本こそ國學院が優勝しましたが、走力の高いランナーを10人そろえないといけない箱根では“選手層の厚さ”と“調整力の高さ”で青学が圧倒的な地力の強さを見せました。改めて“箱根の青学”を印象づけたと思います」(陸連関係者)

出雲、全日本と國學院、駒澤に先着され、3位に終わったことで大会前には原監督の“青学メソッド”の終焉か…という声もあがっていたが、そんな下馬評を覆してみせた。このまま来年度の箱根駅伝でも青山学院の1強時代は続くのだろうか。

「たしかに、今年の箱根では青学の圧倒的な強さが印象的でしたが、来季の大学駅伝もこのまま“1強時代”が続くかはわかりません。青学は山の5区、6区という特殊区間を含めて今年、箱根を走った4年生が6人卒業します。

一方で、復路では青学に勝った駒澤は4年生が1人しか走っておらず、今年の箱根出走者が9人残ります。また、出雲、全日本で優勝した國學院も確実に地力がついてきています。もちろん青学にもエントリーされなかった走力の高い下級生はいますが、3連覇は簡単な道ではありません」(前同)

区間賞を獲得した、3区・太田蒼生、5区・若林宏樹、6区・野村昭夢をはじめ、主将の9区・田中悠登、5000mと1万mの両方で青学歴代最高記録を持つ3区・鶴川正也など、今大会の優勝の原動力となった選手たちは卒業する。

しかし、2区で区間新記録を更新した黒田朝日や、ともに区間賞の8区・塩出翔太、10区・小河原陽琉をはじめ下級生にも有力なランナーを多数抱え、なんだかんだ駅伝シーズンになると圧倒的な強さを見せる。

そんな王者・青山学院に一矢報いる大学はどこか…。