テコ入れの医学部進学コースが…

そのB氏は長年A氏との関係がよくなかったらしく、代表取締役の交代は事実上B氏が実権を奪ったものだと社内では受け止められていました。ただ、数年前からA氏の側近になった数人はB氏が社長に就任した後も経営で存在感を見せていたので、A、B両氏の間で何らかの合意があった可能性もあります」と解説する。

しかし経営権を手にしたB氏は、すぐに厳しい状況に直面した。

「B氏が実権を握ったのは実際には昨年の1、2月なんですが、会社の財務状況はその時すでに悪化していたようなんです。会社の整理が正式に決まれば、A氏時代までさかのぼって経営状態にメスが入るでしょう。A氏、B氏のプライベートにはいくつか“よからぬ噂”がありました。

いずれにせよB氏は会社の立て直しを迫られました。そこでB氏が勝負に出たのが、高額な受講料を取れる医学部進学コースの拡充です。『メディカル医進館』と名付けた医学部コースがあるのですが、昨年前半、ニチガクの近所の別の建物を2階から5階まで借り切り、このコース専用に、ニチガク本体より充実した受講施設を備えたんです。

しかし一般学部進学がメインだったニチガクが医学部受験に本格参戦しても、すぐにうまく回ることはありません。結局この投資がさらなる重荷となり経営がさらに悪化した、というのが社内外の受け止めです」(別の同社関係者)

B氏
B氏

その先に、登記簿上では10月1日付で代取がB氏からC氏に変更されている。B氏の就任期間は半年にすぎないことになる。そしてこの社長交代劇は社内にも隠された。

前出の20年来の付き合いがある予備校関係者は、集英社オンラインが報じたC氏は誰か、見当がつかなかったという。

「今の社長のCって、誰なんですか? え、あの人?それはちょっと無茶苦茶だな…」

この関係者によれば、C氏は雇用形態ははっきりしないがニチガクの営業チームの一員だったが、経営に関与できる人物ではないという。

「C氏は営業のスキルはそこそこあったと思いますよ。辞めずに続けてきたから。でも営業成績がよかったとは言えない。酒を飲んで周囲とトラブルになることが多く、避けている人もいました。営業以外の経験はないはずで、C氏が社長に就いたこと自体、会社経営を続けていこうと考えたとは思えないですね、C氏には借金などの金銭トラブルもあったようです」(同関係者)

ニチガクの入口に貼られた合格者の一覧
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