大河では初めて「インティマシー・コーディネーター」を起用

また、今回はNHKドラマ10『大奥』に次いで、NHK大河では初となる「インティマシー・コーディネーター」が起用されたことも話題となった。これは性的な描写の撮影の際に現場に立ち会い、演者の尊厳を守りつつ効果的な演出に繋げる役割で、藤さんはその手厚さを感じたという。

撮影現場で笑顔を見せる吉高寧々
撮影現場で笑顔を見せる吉高寧々

「撮影に入る1ヶ月前にリモート打ち合わせで、局部が見えないように前貼りの着用やバストにもシリコンブラをつけることなどの説明を受けました。現場では前貼りを3重くらいつけていただき、シリコンブラの下にはバストトップシールまでつける厳重さでした。カメラの切り替えなどの合間は5、6人のスタッフが集まりタオルで囲いを作ってくれ、肌見せを最小限にするために気遣っていただきました」

藤さん本人は「そこまで気を遣っていただかなくても…」と感じるほどだった。

「おそらくスタッフの皆さんも、『裸の女優が現場にいる』という、これまで経験したことのない状況に困惑していて、かなりピリついている感じは見て取れました」

 だが今回の撮影に参加したことは、藤さんにとっても「かけがえのない経験になった」と言う。

撮影の準備にのぞむ様子
撮影の準備にのぞむ様子

「吉原で裸で働く女性たちに対し“おまんま食えるように俺らが頑張る”って意気込む蔦重に、なんだか裸で働く私たちまで応援してもらったような気がして…本当に良い体験をさせていただきました」