パスポートは17回申請しても、1回も出ない
――制作のスピードもそうですし、『REVOLUTION+1』は国葬の日に上映というタイミングも図っていましたよね。
それは、映画のテーマがはっきりありましたからね。国葬なんて、冗談じゃないと。僕は安倍とトランプが並び立ったとき、「トランプ安倍 万歳」って言い続けてたの。安倍さんがもう少し生きていれば世の中の問題、政治の退廃がもっと出てきていたと思う。
だから、安倍が殺されたのは、私にとってみればもったいなかった。いまは石破のバカが路線変更して安倍みたいになってるけど。トランプ・石破で、日本の腐ったものが全部、表に出てくればいい。
――悪いウミが全部出ればいいと。
僕は日本赤軍のスポークスマンだったけど、(日本に)帰ってきて拘留されている間、取り調べは一回もなかったんだよ。
なにを聞いても、どうせ意味のあること言わないだろうって思われていたみたいで、担当検事とは東映ヤクザ映画の話ばかりしていた(笑)。
昔、わたしらが飛行機を盗んだときに当時の政府が超法規措置をしたから、政府は僕を骨の髄まで恨んでるんですよ。
おかげで、その後はパスポート(旅券)の申請も下りない。17回申請して、1回も出ないんですよ! 理由が「過去の活動を反省してない」「逃亡中の犯人と連絡をとっている」「なにもしてないと言うが今でもいろいろ運動をしている」。「以上のことから日本国の財産と安全を著しく損なう可能性があるから旅券は出しません」と。
でも、85歳が飛行機を盗んだりしないよ(笑)。
――(笑)。足立さんはアナーキストなんですかね。
いや、アナーキストっていうのは、もう少し真面目なんじゃないかな(笑)。僕は思想的にはシュールレアリストと思い込んでいる。偽物の現実をひっくり返したのを作品にすることで問題提起をする。それが本来の古いシュールレアリストのあり方だから。