規制により歌舞伎がさらにカオスに
今回、検討会でも取締強化を掲げられたスカウトグループに所属するBさんはまた違った見方をもつ。
「確かに今回の規制でマッチングアプリなどから何も知らない女性を釣り上げホストクラブに呼び込み営業をかけることしかできない無能なホストと、それに引っ掛かり風俗で荒稼ぎする無能なホス狂は減るでしょう。でもそいつらの行き着く先はどこかといえば、メンコンやバーテンとその箱が変わるだけ。
なんだかんだこれまでホストクラブとスカウトと女の子のバランスや組織統制は取れていた中で、規制によりそれが崩れ、個人間の売春斡旋や結婚詐欺などが横行し、より歌舞伎町や繁華街の治安が悪くなるように思います」
また、歌舞伎町の社会学を研究するライターの佐々木チワワ氏も、今回の規制には首を傾げる。
「ホストクラブにハマる女の子の特徴として、その家庭環境や愛着障害、あるいは発達などの問題も関係しています。そんな根深い問題が絡み合っている以上、制度を少しいじったところで根本的には何も変わらず、歌舞伎町の夜がさらにカオス化するだけだと思います」
12月19日に行われた検討会では罰則に実効力を持たせるための罰金の引き上げについても話し合われた。現行の風営法における罰金は最大200万円で、数億円規模の売り上げがあるホストクラブには抑止効果がない。そのため罰金を億単位に引き上げることなども検討されているという。
来年の色恋営業規制、果たしてどんな内容で運用されるのか。罰則強化によるその成果に期待したい。
取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班