「質素大好き!?の巻」(ジャンプ・コミックス48巻収録)

今回は、金欠をこじらせた両さんが紆余曲折のあげく鰻にありつくお話をお届けする。
ステーキ、鰻重、焼き肉、寿司……と、「昭和のご馳走」を爆食いするさまは、『こち亀』の長い歴史のなかでも印象深いシーンのひとつとなっている。そしてその前に両さんが食べる、食費ゼロでこさえた極限食の数々も伝説的だ。はたしてどんなメニューなのかは、読んでのお楽しみだ。

本作をお届けする前に、鰻の料理法と食べ方について少し紹介しておきたい。

もっとも一般的な食べ方に「蒲焼き」があるが、本来の食べ方は、現代とはまったく異なっていた。鰻はもともと、川魚と同様に丸のまま串焼きにしたり、蒲の穂のようにぶつ切りにした串焼きにして、これに塩や味噌、酢などをつけてかぶりついていた。

1800年代に入ると、鰻を裂いて骨を取り、醤油やみりん、酒、砂糖、山椒味噌といった調味料を使って味つけするように。それと同時に、白焼きにしてから蒸して柔らかくしつつ、きつい油を落とすという洗練された調理がされるようになってきた。

さらには、飯に鰻を乗せて食べる鰻重や鰻丼、つまりは現代の鰻の一般的な食べ方も広まっていった。

なお関東では鰻を背から裂いて白焼きにしてから蒸し、タレを絡めて焼くが、関西では腹から裂くのと、蒸す工程がない点が異なっている。

それでは次のページから、両さんの極端すぎる食事の様子をたっぷりとお楽しみください!!