志保被告の父親に電話をしてみると…
そして、捜査のきっかけになったのは3人が立て続けに“病死”してから5年後に起きた次女の変死事案だった。
夫妻にとって3番目の末っ子である美輝ちゃん殺害の動機は異質であるのは間違いないが、5年前の“成功体験”が下地になったのではないか。
ネグレクトや虐待の疑いで、東京都や台東区が2016年から家庭訪問を始め、「養育困難」という相談を受けるなど「子育て」に関しても札付きだった健一・志保夫妻。
2019年には浅草署の通告で子供全員を一時保護したり、2022年9月には美輝ちゃんに引っかき傷があるのを保育所が見つけていた。
美輝ちゃん殺害の動機の心当たりがあればと志保被告の父親の携帯電話を鳴らしたが、取材を申し込んでも「それは受け付けてないわ。悪いね」と取り付く島もなかった。
それでも、娘がどんな子だったのかを尋ねたときだけ、吐き捨てるようにこう答えた。
「どんなお子さんって、お子さんみんなかわいいに決まってるだろーよ。そんなもの生まれたときから殺人者になってるわけじゃねーんだわ」
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班