大学生の運営では手に負えない事態も…
時代とともに形を変えていく「ミスコン」。改めてミスコンの現状や課題、そして“ミスコンおじさん”の生態まで突っ込んだ話を、霜田さんに聞いてみた。
――SNSが主戦場になった現在、どのようなリスクが伴うのでしょうか。
霜田明寛(以下同) かつては学内の牧歌的なイベントだったのが、学外の人も投票できるようになり、開けたイベントになりました。それによってネット上にも晒され、炎上のリスクも高まったのではないかと思います。
――そもそも“ミスコンおじさん”が生まれた背景や、何が彼らを熱狂させるのでしょう。
素人であり、今後大物になるかもしれない。「ブレイクする前の地下アイドル時代から応援してましたよ」って言いたい心理に近いですね。
あとは普通だったら道で話しかけてもスルーされるようなルックスの若い子に、投票を餌にするだけで相手にしてもらえる。それと投票してほしい女子大生の利害が一致しているんでしょう。
ただ、おじさんの中には勘違いしちゃう人もいる。対等な人間であるはずなのに、『投票してやる』と下に見たり、かわいいから寄っていったのに「ただかわいいだけのくせに」と誹謗中傷したり、ファンのマナーレベルに問題があることもあります
――そんななかで、今後も安全にミスコンを運営していくには、どんな懸念や注意点があるのでしょうか。
そんな状態でも、運営側は大学生の有志のサークルだったりするので、炎上や誹謗中傷などのトラブルについて、きちんと取り締まったりする仕組みができておらず、無法地帯になりつつあるんですね。
プロのアイドルだと炎上やトラブルがあったとしても運営側が守ってくれるけど、ミスコンの場合は明確に守ってくれる人がいない。今後、学外にまで広がり、ネットにここまで接続してしまっている以上、何かトラブルがあったとき、とても危ないと感じます。
ミスコンが一人の人生を輝かせることができる反面、壊してしまうリスクもあることを肝に銘じつつ、関係者全体で今後の在り方を模索していく必要があるのではないでしょうか
取材・文/木下未希 集英社オンライン編集部