「眠らないといけない」
不眠の原因の一番は、「眠らないといけない」と自分で自分を脅迫することだと、どこかの記事で読んだことがある。生きている間、不安はきっとなくならない気がする。
というか、そもそも生物にとって、不安は必要不可欠な気もしている。危機意識のない生物なんているはずがないからだ。ぼんやりしていたら、絶滅まっしぐらだ。生き物は、きっと常々不安がるようにできているのだ。
ただ過度な不安は、体調をわかりやすく壊す。不安をうまく飼いならすことが必要だ。僕もそれがイマイチ得意でないのだが、不安は当たり前、ままある感情だと思う訓練をしている。
不安で眠れない夜もある。それは今日だったりする。明日、大きな仕事の情報解禁を控えていて、そのことが心配でうまく眠れない。現在、午前4時を少し回ったところ。明日は午前9時から打ち合わせが入っている。
「眠らないといけない」
それを強く思えば思うほど眠れなくなってしまう。仕方がないので、僕はインスタントのコーヒーを入れて、いまこの原稿をノートパソコンに打ち込みながら飲んでいる。
ある人がアイスクリームを食べるとよく眠れるように、ある人はそれがメールチェックのように、僕はそれがコーヒーで、さらにはいま思っていることをカタカタと綴ることだということに、最近ようやく気づいた。
「ストレスフルなのは、ストレスの要因が漠然としているからですよ」と言っていたのは誰だっただろう。本当に忘れてしまったが、いまはそれがよくわかる。
不安の正体を突き詰めると、「恐怖」に変わる、と知り合いが言っていた。恐怖に感じることができたら、あとは正しく対処するだけだ。
もしくは打つ手をすべてやってみるだけだ。
それでダメなら仕方がない。
そんなことも生きていればいくらでもある。
世の中のすべてが実力勝負じゃない。たまたま風向きがこちら側だった、向こう側だったということもある。
とりあえず今夜はこのあたりで寝てしまおう。ヌルくなったコーヒーを飲み干し、明日のシミュレーションをして、歯を磨いたらベッドで目をつむってみよう。