完全無欠のタンパク質「大豆」

私は菜食主義者になることを推奨しているわけではない。菜食主義者にも健康な人と不健康な人がいる。菜食主義者であっても超加工食品を日に3回も4回も食べている人もいる。

ここであなたにはこんな疑問が湧いたかもしれない。

「肉は食べてはいけないの?」

私が提案したいのは、肉をメインディッシュにするのではなく「サイドディッシュ」にすることだ。肉類はどうしても悪い脂肪を含むことが多いし、カロリーが高いし、環境への悪影響もある。かといって、肉が大好物の人にとって「肉断ち」は極めて酷だろう。

一般的なレストランに行くと、肉の量は最低100グラム、場合によっては200グラムや300グラム出てくることもある。これは明らかに食べすぎだ。

そこで、週に1回や2回程度、85グラム以下の肉をサイドディッシュ感覚で食べるのがオススメだ。

飽和脂肪酸が多い赤身の肉(牛肉、豚肉、羊肉など)は血中コレステロールを上昇させてしまうため「皮なしの鶏肉」がベスト。ハムやベーコン、ソーセージなどの加工されている肉はできるだけ避けたほうがいい。

そして、ジャンクフードなどの超加工食品を排除する。

これが、多くの医師たちが推奨している地中海式の食事パターンだ。

ここで最高の食材をひとつご紹介しておく。大豆だ。

大豆は単位重量当たりの比較で、牛肉、鶏肉、魚介類より多くのタンパク質を含み、コレステロールはない。

しかも、「完全無欠」の植物性タンパク質である。

人はタンパク質を分解してできる20種類の基本アミノ酸を必要とする。そのうち11種類は体内で作ることができるが、残りの9種類は食物から摂らなくてはならない。「動物性タンパク質が必要」とする主張はこれを叶えるためだが、大豆のタンパク質はこの9種類のアミノ酸すべてを供給できる点で、肉類と同じだ。

しかも、肉類と違ってカロリーも、環境への悪影響も少ない。

加工食品ばかり食べる人は要注意…赤身肉が大好物な人に知ってほしい理想的な食事の鉄則_4

日本人にお馴染みの「枝豆」は、鮨屋や小料理屋で出てくる無料のつまみくらいの認識かもしれないが、あれは茹でた大豆だ。枝豆は、育ちきる直前に摘み取った大豆の別名であり、驚くほど健康的で、魚よりもタンパク質やその他の栄養素が豊富。枝豆1カップで、なんと約20グラムのタンパク質が含まれている。

 写真/shutterstock

Life is Wellness 「健康な生き方」の科学
石村友美
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2024年10月30日
1870円(税込)
312ページ
ISBN: 978-4763141743
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