「マスコミは嘘を言っている」
斎藤氏の前に現れて応援するのは女性が圧倒的に多い。告示の前日も昼休みに斎藤氏がJR明石駅前で短い演説をすると、その後に握手や記念撮影を求める長い列が生まれ、最後尾の人の順番が来るまでには1時間近くかかった。
その一人、40代の女性Aさんに斎藤氏を支持する理由を聞いてみた。
「支持というか、マスコミだけを信じていいのかって思って。ちゃんと話を聞いて、本人がどう思っているのか、本当のことを教えてもらいたくて来ました。私から見ると、すごくマスコミも(斎藤氏を)いじめているように見えたんですよね」(Aさん)
そこで演説を聞いて報道とどちらが正しいか判断がついたかをたずねると、「うーん、わからない。これからですね」と返って来た。
50代の女性Bさんは、斎藤氏のほうが正しいと断言した。
「最初はマスコミがガンガン放送してたけど、一次情報を見ていくうちにマスコミは嘘を言っていると思いましたね。本当に悪いことをやっているなら、あんなに頑なに辞任を拒否しないだろうし、嘘なら段々ブレていくはずなのに、それがない。言っていることは本当で、ちゃんと信念をもってやっているからだと思います」(Bさん)
家族全員が同じ考えで、共感する人は増えていると感じるという。一方で「お年寄りと話すと『道義的責任があるから辞めるべき』という人もいます。やっぱり(斎藤氏に)“悪人”のレッテルが貼られているからだと思います」とも言う。
黄色い歓声が飛んだ“握手会”のさなかには、通りかかった中年の男性が、斎藤氏の疑惑を告発した県幹部ら2人が今春以降相次いで自死したことを挙げ、「人が死んでるんやで。自責の念はないんか。モラルはないんか。こんなん応援する気がしれんわ!」と大声で叱りつけたりもした。