ブレイクしたのに、リアルでは職質を受けまくる
一方で、ドッキリの“仕掛け人”としての演技力にも定評があり、最近はドラマ出演も果たし、ファンからは俳優としての活躍も期待されている。
しかし、本人はドラマの現場でかなり苦戦したようで。
「ドラマの台詞を、どんなふうに言えばいいのかがわからなくて。でも、自分は一言しかない役が多いので、その分際で監督さんに『ここどういう感じで演じればいいですかね』と聞くのはちょっと恥ずかしいなって……。
だから、結局なにもわからないまま一瞬で出番が終わって、毎回『大丈夫だったかなぁ』と思いながら帰ります」
あれよあれよという間にお茶の間の人気者となったが、自身のブレイクについては「まったく実感が湧かない」という。
当然、街中で声をかけられる機会も増えたが、その対応にはいまいち自信が持てない様子。
「単純に人見知りなので、声をかけていただくと、ちょっとこう、ドキッとします。声をかけてくださる方も気を使っていただいているので、嫌な思いはぜんぜんしないんですけど、なんかそっけなくなっちゃったりしていないか心配で……。自分も誰かに話しかけたとき、冷たくされたらちょっとショックですし」
そのため、外出時の対策として、トレードマークのスキンヘッドはなるべく隠すようにしているそうなのだが……。
「ジャンパーのフードを被って、マスクをしています。でも、これをやりはじめてから警察に声をかけられる回数が増えまして……。1か月の間で7~8回は職質を受けていると思います」
とにかく、ありのままの人間性がおもしろすぎるひょうろく。現在の肩書きは、お笑い芸人でも、タレントでもない。“ひょうろく”という唯一無二のジャンルを確立しつつある。
「僕も、自分自身が、なんなんだろうなと思っています……。でも、自分は何かに秀でているわけではないので、いろんな人に『こういうのどうですか?』と誘っていただいたお仕事を、本当に全部頑張りたいです」
後編では彼の知られざるプライベートに迫る。
〈後編へつづく:『「今すぐにでも結婚がしたい」ひょうろくのリアル恋愛事情』〉
取材・文/渡辺ありさ 撮影/恵原祐二