作り話のような最高のストーリー
ドジャースとヤンキースはそれぞれ、ナ・リーグとア・リーグの今期最高勝率チームで、プレーオフでも第1シードだった。
過去10年で、リーグ最高勝率同士のワールドシリーズとなったのは、コロナ禍で短縮シーズンとなった2020年のドジャース対レイズのみだ。
さらに、シーズン50本以上のホームランを打った選手が対決することになるのは史上初。
シーズンMVPが有力視されている大谷翔平とアーロン・ジャッジの直接対決は全米でも高い関心を集め、現地のSNSでは〈史上最高の選手2人の活躍を最高の舞台で見られるなんて!〉〈まるで作り話のような最高のストーリーだ〉と大白熱している。
そんななかで迎えた10月26日の第1戦、試合は延長までもつれ込み、ドジャースが1点ビハンドで迎えた10回裏2死満塁の場面。MVPトリオの一角、フレディ・フリーマンが逆転サヨナラ満塁ホームランを放ち、ホームのドジャースが劇的な勝利をおさめた。
ハードルが上がりきった前評判をさらに超えるような最高の第1戦は、このシリーズがメジャーリーグの歴史の中でも特別なものになることを予感させた。
迎えた第2戦も、ドジャースが試合を優位に進ませながらも、9回表にはヤンキースが1死満塁、一打逆転のチャンスを作るなど、最後までどちらに転ぶかわからない白熱した展開を繰り広げた。
このワールドシリーズ第2戦は、現地アメリカでは、中継局のFOXテレビによると、視聴者は昨年比65%増の1380万人。
アメリカでは野球人気が落ちてきているといわれているが、そんな風潮をもろともしない盛り上がりをみせている。
日本でも今回のワールドシリーズは、急遽、フジテレビが全試合を地上波で生中継することを発表。
朝9時台からの放送、さらにNHK BSでも同じ試合が中継されているにも関わらず、世帯平均視聴率は第1戦が12.7%、第2戦が13.9%と(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と高い数字を残した。